今まで保証会社は不動産会社に任せきりだったけど2020年4月からの民法改正に向けて「保証会社を大家側で決めていた方がいいじゃない」と思われたりしていませんか?
私もその1人で今まで不動産会社に任せっきりでした。ただ、民法改正に伴い保証会社から資料を取り寄せたり、実際に打ち合わせをさせて頂く中で解ったことがあるのでお伝えさせて頂きます。
保証会社の役割
まず、保証会社の役割についてお伝えさせて頂きます。昔は家を借りる時に家賃を支払えなかった時のために家賃を払って貰う連帯保証人という形で保証人を立てることが一般的でした。
ただ、賃貸の連帯保証ということで家族や親戚に頼みにくかったり、両親が高齢で無職、亡くなっているなどの理由でそもそも保証人を頼めない人もいました。
そういった時に、一定のお金を払うことで連帯保証人の役割をしてくれるのが保証会社の役割になります。
保証会社を選ぶ5つの基準とは
①自分の物件の確認
まず、ご自身の物件がどのような方が多く住んでいるのかを確認してください。保証会社さんの保証内容と物件の相性があります。
・ワンルームマンション?
・ファミリータイプ?
・若い方?
・お年寄り?
・生活保護受給者?
・外国人?
特に単身者でお年寄りの方が多く住まれている物件であれば、亡くなられた時に家賃滞納を保証してくれる会社があったり。亡くなられた時に身寄りがいなければお部屋の中の残置物の処分費用を負担してくれる会社もあります。
必ず物件と保証内容が合う会社を選ぶようにしましょう。
②保証会社の保証内容
一番イメージしやすい物として滞納家賃の保証があると思います。ただ、保証会社は日本全国に100社以上あるといわれており保証範囲は会社によってかなり変わってきます。
①賃料 | 家賃、管理費/共益費 |
②変動費 | 水道光熱費(毎月の金額が変動するもの) |
③残置物撤去費用 | 賃貸人が連絡不可になった場合の処分費用 |
④法的手続き費用 | 明け渡し訴訟を行う法的手続きを行う費用 |
⑤現状回復費用 | 部屋を入居前の状態に戻す費用 |
私がお会いした保証会社の保証範囲はこれらの内容が含まれていました。
家賃の保証に関しての上限は家賃の24カ月~51カ月と会社によって保証金額は大きく変わります。
ただ、保証会社によっては③残置物撤去⑤現状回復費用は保証されない会社もあります。大家としては保証範囲がどこまでかを把握しておく方が管理をしていく上で絶対に安心です。
また、日本賃貸保証株式会社さんの保証内容にはこんなものが含まれていました。
●転貸・・・保証継続し、訴訟手続き
特に転貸(借りた部屋を他の人に貸してる)に関しては多くの保証会社で保証対象外でした。最近ではAirbnbのような自分の部屋を他の人へ貸すサービスも手軽に始められます。ワンルームマンションを多く管理されてる大家さんは転貸する保証があるないかも確認してください。
③大家の手間
保証会社と決めることで手間がかかるようでは意味がありません。保証会社を決めたことによって手間が増えることは少ないですが保証会社によっては大家と保証会社の契約が必要になる場合あります。
日本セーフティー株式会社さんはインターネットで保証状況や入居者様に記入してもらう保証申込書をダウンロードできるシステムがあります。
不動産会社へ保証会社の指定を行う時も手間がない会社を選んでください。
④入居者さんの負担・更新料
大家さんが保証会社を利用する時には契約金や更新料などの費用は発生しません。ただ、入居者さんが保証会社を利用する時には費用が発生します。
入居者様が保証会社に支払う方法は更新があるパターと一括払い込みの2つです。
【更新料がある場合】
保証会社 | 初回保証料 | 更新料 |
日本セーフティー | 40%/50% (賃料) | 10,000円 (1年1回) |
全保連株式会社 | 30% (賃料) | 10,000円 (1年1回) |
日本賃貸保証 | 30%/50% (賃料) | 1.5%/1.0% (毎月) |
【一括払い込みの場合】
保証会社 | 初回保証料 | 更新料 |
全保連株式会社 | 100% (賃料) | 0円 |
大家さんとしては関係ないと思われるかもしれませんが、やはり入居者様のことを考えると負担が増える保証会社はオススメ出来ません。ですので保証会社選ぶ時には保証内容ももちろんですが、入居者様が負担するお金の事も考えてください。
⑤保証会社の信託
保証会社が倒産しないという保証はどこにもありません。2004年12月にマザーズに上場した賃貸保証会社大手の株式会社リプラスも数年後に倒産しました。
このような状態になった時に信託銀行を使っている保証会社であれば倒産しても大家さんにお金が入ってきます。逆にこの信託銀行を使っていない場合、保証会社にあるお金がいくら入居者様の家賃だとしてもそのお金は債権者の物になります。
こうなってくると返金してもらう手続きが面倒ですし、時間もかかります。何より、それらを大家さんがやらなければいけません。
このように考えると必ず信託をしている保証会社を選びましょう。
保証会社を選ぶまとめ
今まで保証会社を選んだことがない大家さんにとっては手間だと思います。しかし、保証会社の保証内容を確認しておくだけでも多くの学びと安心を手に入れることが出来ると思います。
今回、保証会社様と打ち合わせをさせて頂きオススメしたい保証会社があるのでお伝えしておきます。
フォーシーズ株式会社
フォーシーズ株式会社は家賃保証の保証期間が51カ月と他の保証会社に比べて圧倒的に長いです。他の保証会社の平均が24カ月ですのでその倍以上の51カ月はメリットが高いです。
●家賃保証:51カ月
●変動費
●法的手続き費用
●残置物撤去費用
●現状回復費用
●更新料、違約金等
●入居者様の死亡
●入居者様の破産
●入居者様の逮捕
●1年毎の保証委託料の未納
●契約解除後48カ月保証
また、フォーシーズ株式会社は業界では珍しい賃貸借契約の解除された後48ヶ月間も保証してくれる大家さんには安心すぎる内容です。
信託も導入されてますし、営業所も北海道から沖縄まであるので使いやすい会社だと思います。
日本賃貸保証株式会社
上記でも説明しましたがこちらの会社は保証範囲が広いです。
●家賃保証:24カ月
●法的手続き費用
●残置物撤去費用
●入居者様の死亡
●入居者様の逮捕
●夜逃げ
●転貸
夜逃げや転貸に関しても保証してくれる会社は珍しいです。特に転貸を保証する会社は珍しいので覚えておいた方が良い保証会社です。
保証会社によって保証範囲、内容はバラバラです。また、ご自分が管理されている物件もよく理解しておいた方がいいですよ。いずれにしても、大家さんは保証会社の内容くらいは頭に入れておいてください。